コニファー移植(2020年春)

植木屋の仕事の1つに、植え替えがあります。

目的はズバリ、商品である植木を「移植しやすい状態」にしておくこと。

植え替えの際、根を切ることになりますが、その切断面からは右の写真のような細根(白根)が伸びてきます。この細根(に生えている根毛)が、「移植」に不可欠です。

細根が水や養分の吸収、植物体の安定など、大事な役割を果たしているため、これが少ないと、移植が失敗して樹が枯れやすくなります。それを防ぐため、植え替えをして(=根を切り)、白根を発根させ、多少条件の悪い時期でも活着できるような、『良い根』をつくっているのです。


今回は、最近移植をしたコニファー+αのご紹介です。

根の切断面から伸びた細根

①ブルーエンジェル

・高さ2.5mほどのものを在庫しています。

・名前の通り、やや白みがかかった青緑色の葉が鮮やかです。

・似た名前の「ブルーヘブン」よりも、枝が密になるため、樹全体の青みがいっそう強い印象があります。

・スマートな狭円錐形の樹形も特徴で人気があるコニファーです。

・シンボルツリーや生垣、庭木にも。

移植後(間隔を広げました)
移植前(樹が大きくなり、窮屈な状態でした)

②フィリフェラ・オーレア

・「オーレア=黄金色」の名前の通り、1年中、黄金色の葉を楽しむことができます。糸状に枝垂れた葉は、日当たりの良い場所では、より一層鮮やかに輝きます。

・グランドカバーとしてポピュラーな、ヒノキ科の針葉樹ですが、弊社では単木として育てたものを在庫しています。

・樹形は、広円錐形状です。シンボルツリーや洋風の庭木にも。

・今回植え替えたのは高さ2.5mの樹と、高さ3mのもの(こちらは根切りのみ)。

高さ2.5m
高さ2.5m

③キャラボク

・イチイの変種の針葉樹。細くとがった葉が、枝にらせん状について密生します。

・生垣や刈込みに多様され、庭園や建物周り、公園、緑地などで利用されることが多いです。

・今回移植したのは、「玉仕立て」の1本。(H=1.2m、W=2.3m)

・移植から1ヶ月ほど立ちましたが、現状、うまく活着しているようです。

・根鉢の直径は1m近いですが、根が浅いのが特徴で、深さ30~40cmほどのところまでしか根が有りませんでした。(※下にその作業の様子を紹介しています。)


作業(苦闘)の様子

①大きく広がった枝を縄で絞る。

②根っこを切りながら掘り進める。

③堀り終わったら根巻きに着手。

④根巻きが終わったら、クレーンで吊り上げ、移植先へ移動。


⑤植付けて作業完了。


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