植木屋の仕事の1つに、植え替えがあります。
目的はズバリ、商品である植木を「移植しやすい状態」にしておくこと。
植え替えの際、根を切ることになりますが、その切断面からは右の写真のような細根(白根)が伸びてきます。この細根(に生えている根毛)が、「移植」に不可欠です。
細根が水や養分の吸収、植物体の安定など、大事な役割を果たしているため、これが少ないと、移植が失敗して樹が枯れやすくなります。それを防ぐため、植え替えをして(=根を切り)、白根を発根させ、多少条件の悪い時期でも活着できるような、『良い根』をつくっているのです。
今回は、最近移植をしたコニファー+αのご紹介です。
根の切断面から伸びた細根
①ブルーエンジェル
・高さ2.5mほどのものを在庫しています。
・名前の通り、やや白みがかかった青緑色の葉が鮮やかです。
・似た名前の「ブルーヘブン」よりも、枝が密になるため、樹全体の青みがいっそう強い印象があります。
・スマートな狭円錐形の樹形も特徴で人気があるコニファーです。
・シンボルツリーや生垣、庭木にも。
移植後(間隔を広げました)
移植前(樹が大きくなり、窮屈な状態でした)
②フィリフェラ・オーレア
・「オーレア=黄金色」の名前の通り、1年中、黄金色の葉を楽しむことができます。糸状に枝垂れた葉は、日当たりの良い場所では、より一層鮮やかに輝きます。
・グランドカバーとしてポピュラーな、ヒノキ科の針葉樹ですが、弊社では単木として育てたものを在庫しています。
・樹形は、広円錐形状です。シンボルツリーや洋風の庭木にも。
・今回植え替えたのは高さ2.5mの樹と、高さ3mのもの(こちらは根切りのみ)。
高さ2.5m
高さ2.5m
③キャラボク
・イチイの変種の針葉樹。細くとがった葉が、枝にらせん状について密生します。
・生垣や刈込みに多様され、庭園や建物周り、公園、緑地などで利用されることが多いです。
・今回移植したのは、「玉仕立て」の1本。(H=1.2m、W=2.3m)
・移植から1ヶ月ほど立ちましたが、現状、うまく活着しているようです。
・根鉢の直径は1m近いですが、根が浅いのが特徴で、深さ30~40cmほどのところまでしか根が有りませんでした。(※下にその作業の様子を紹介しています。)
作業(苦闘)の様子
①大きく広がった枝を縄で絞る。
②根っこを切りながら掘り進める。
③堀り終わったら根巻きに着手。
④根巻きが終わったら、クレーンで吊り上げ、移植先へ移動。
⑤植付けて作業完了。
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